22.1 運用設定
RACCOONを利用したデータフォーマットの変換手順を運用するための設定を解説します。
22.1.1 データフォーマット変換の設定
RACCOONを利用する際には、RACCOONの事前準備を実施いただく必要がございます。詳細については「2 RACCOONセットアップを行う」をご覧ください。
本手順の前に、RACCOON Developer Studio (RDS) にて、編成ファイルの作成を行ってください。
通信でのデータ受信時にデータフォーマット変換を行うためには以下の設定が必要となります。
データフォーマットの変換を利用しない場合は、本手順を行う必要はありません。
- 変換定義アップロード
- ファイル配布
- アプリケーション設定
- フロー設定
- 論理ファイルの設定
22.2 変換定義アップロード
ここでは、ACMS Cloudの運用画面での変換定義アップロード手順について解説します。
22.2.1 変換定義アップロードの方法
変換定義アップロードは運用画面の変換定義画面から行うことができます。
暗号化鍵情報ファイルも同様にアップロードすることが可能です。
22.2.2 変換定義アップロードの操作
■変換定義画面に移動
左上のメニューを開き、[変換定義]ボタンをクリックします。
変換定義画面が表示されます。

■アップロードボタンのクリック
画面内の[アップロード]ボタンをクリックします。
■ファイルのアップロード
表示された変換定義アップロード画面で、以下のいずれかの方法で変換定義ファイルをアップロードします。
- アップロードしたいファイルをドラッグ&ドロップします。
- または、「ファイルを選択」ボタンをクリックしてファイルを選択し、アップロードします。

■変換定義の操作
アップロード済みの変換定義は、必要に応じてファイル名の編集、ファイルの削除を行うことができます。
22.3 ファイル配布
ここでは、ファイル配布の概要および定義方法について解説します。
22.3.1 ファイル配布の基本機能
ACMS Cloudでは、アプリケーションが参照する各種ファイルをファイル配布機能で設定します。
「ファイル配布機能」とは、ユーザーの同期操作によりユーザーコンソールの変換定義から、ACMS Cloudのアプリケーションが当該コピーファイルを参照して稼働する一連の仕組みです。
22.3.2 ファイル配布の参照
作成したファイル配布は、[マスター]-[システム]-[ファイル配布]の画面で確認することができるほか、条件を指定して検索も可能です。

一覧表示されているいずれかのファイル配布の[詳細]をクリックすると、各種設定内容や配布状況を確認することができます。

詳細画面では、以下の項目を確認することができます。
項目 | 概要 |
---|---|
最終同期完了時刻 | ユーザーが最後に同期操作を行った日時が表示されます。 |
前回同期完了時刻 | 上記「最終同期」の前にユーザーが同期操作を行った日時が表示されます。 |
22.3.3 ファイル配布の操作
ファイル配布一覧の[アクション▼]をクリックするとメニューが現れ、[同期]と[戻す]のいずれかを実行することができます。

項目 | 概要 |
---|---|
同期 | ユーザーコンソールの変換定義からACMS Cloudのアプリケーションが参照できるディレクトリへファイルをコピーします。 |
戻す | コピーファイルを「前回同期完了時刻」の同期状態に戻します。 |
22.4 アプリケーション設定
本章では、RACCOONアプリケ—ション設定について解説します。
22.4.1 ベースアプリケーションとラップアプリケーション
ACMS Cloudには、ベースアプリケーションとラップアプリケーションという概念があります。
20.3.1.3 ラップアプリケーションの定義方法を参照して、
RACCOONアプリケーションのラップアプリケーションを作成します。
20 フローを設定するの「20.3.1 ベースアプリケーションとラップアプリケーション」を参照してください。
22.4.2 ファイル配布機能を用いたファイルパス
アプリケーションが使用するファイルのパスを指定する項目では、ファイル配布機能を用いたファイルパスを指定することができます。
22.4.2.1 ファイル配布機能を用いたファイルパスの指定方法
ファイル配布機能を用いる場合、「//ファイル配布名/~」の形式でファイルパスを指定します。
22.4.2.2 パラメーターマクロの置き換え結果に「//~」が含まれる場合
アプリケーションが使用するファイルのパスを指定する項目では、パラメーターマクロによる置き換え結果に「//~」が含まれていた場合、ファイル配布機能を用いたファイルパスと見なします。
22.4.3 アプリケーション共通の設定
20 フローを設定するの「20.3.2 アプリケーション共通の設定」を参照してください。
22.4.4 RACCOON
RACCOONは、RACCOON Developer Studio (RDS) で作成及び編成した編成ファイルに従って、入力データを各種フォーマットに変換します。(固定文字長、JSON、XML、EXCELなど)
22.4.4.1 RACCOON固有の設定
■ヘッダー情報

項目名 | 説明 |
---|---|
編成ファイル | RACCOONの編成ファイル名を指定します。 |
編成ファイルの作成方法は、RACCOONのマニュアル「DevelopReferenceManual.pdf(開発リファレンスマニュアル)19.9.1 変換定義の編成」をご覧ください。
■RACCOON定義情報

項目名 | 説明 |
---|---|
RACCOON入力パラメーター | 後述します。 |
22.4.4.2 終了コード
終了コード | 説明 |
---|---|
0 | 正常終了しました。 |
1 | リトライ処理を行うことで回復する可能性があるエラーが発生しました。 |
9 | リトライ処理を行っても回復が見込めないエラーが発生しました。 |
-1 | 定義矛盾など本来のアプリケーション処理を実行する前にエラーが発生しました。 |
22.4.4.3 出力パラメーター
パラメータキー名 | 説明 |
---|---|
_exit_code | 終了コードです。 |
_raccoon_outputfile_type | RACCOONが生成するファイルの種類です。 |
_error_type | エラーが発生した場合の障害原因メッセージです。 |
_raccoon_exit_code | RACCOON 変換の終了コードです |
_raccoon_warning_count | RACCOON変換のワーニング発生数です。 |
_raccoon_process_name | 出力ファイルに応じたRACCOON変換における処理名称です。 ※ 変換レポート、変換ログ、エラーデータファイルの場合は NoSet となります。 |
_raccoon_process_type | 出力ファイルに応じたRACCOON変換における処理のタイプです。 |
_raccoon_process_syntax | 出力ファイルに応じたRACCOON変換における処理のシンタックスです。 |
RACCOON変換においてグローバル変数を利用している場合、以下の条件を満たすことで、出力パラメーターにグローバル変数を出力することができます。
出力パラメーター名にはグローバル変数名が、出力パラメーター値にはグローバル変数値が出力されます。
- RACCOON編成ファイルに定義されているグローバル変数名が半角英数と_( underscore)のみ
※ 条件を満たさない場合は、出力パラメーターに出力しません。
- RACCOONパラメーターに「-reportVariable」または「-reportVariable:<name>」を指定
22.4.4.4 RACCOON入力パラメーター
RACCOON変換で指定する入力パラメーターを設定します。

項目名 | 説明 |
---|---|
RACCOONパラメーター |
RACCOONパラメーターを指定します。
|
パラメーター値 | RACCOONパラメーターに応じた値を指定します。 RACCOONパラメーターの種類によって指定できる値が異なります。 RACCOONパラメーターと併せて後述します。 |
RACCOONパラメーターの指定条件 | RACCOONパラメーターの指定条件を設定します。 [指定する] [パラメーター値が空値の場合は指定しない] [指定しない] [指定しない]を指定したRACCOONパラメーターは、RACCOON変換に利用されません。 ※ パラメーター値の未指定を許容する、または必要としないRACCOONパラメーターに関しては、[パラメーター値が空値の場合は指定しない]と[指定しない]のいずれを指定しても同義です。 |
注釈 | 注釈です。 |
■RACCOONパラメーターとパラメーター値
RACCOONパラメーター | パラメーター値 | 説明 |
---|---|---|
-i | %input_file% | 抽出ファイルを指定します。 ※ ファイル系フォーマットの場合は当該パラメーターの指定を推奨します。指定しない場合は編成ファイル側の設定に従います。 ※ RACCOON変換の「入力ファイルをまとめて処理」は未サポートです。 |
| 指定 | 格納ファイルを指定します。 ※ ファイル系フォーマットの場合は当該パラメーターの指定を推奨します。指定しない場合は編成ファイル側の設定に従います。 |
-prop | ファイルパス | 実行時プロパティファイルを指定します。 |
-variable:name ※name:グローバル変数名称 ※グローバル変数ごとに指定 | 変数値 | グローバル変数の初期値を指定します。 |
-rawVariable:name ※name:グローバル変数名称 ※グローバル変数ごとに指定 | 変数値 | グローバル変数の初期値を指定します。 初期値をエスケープ処理されたくない場合に本パラメーターを指定します。 |
-reportVariable -reportVariable:name ※name:グローバル変数名称 (半角英数と_(underscore)のみ可) | 未指定 | 変換レポートに変数情報を出力する際に指定します。本パラメーターは、パラメーター値を指定する必要はありません。 |
-reportAdd:warn | 未指定 | 変換レポートに警告の種類ごとの件数を出力する際に指定します。本パラメーターは、パラメーター値を指定する必要はありません。 |
| 未指定 | スキップXMLファイルを指定します。 |
| 未指定 | スキップファイルを指定します。 |
| ファイルパス | Excel格納処理で利用するExcelテンプレートファイルを指定します。 |
| ファイルパス | Excel格納処理で利用するExcelコピーソースファイルを指定します。 |
-userLog | on off 未指定 | ユーザーログを変換ログに出力するかを指定します。 on:ユーザーログを出力する off:ユーザーログを出力しない 未指定の場合、onと同意です。 |
-x:processName
| ファイルパス | XML抽出処理/XML格納処理でXML妥当性検証を行う場合のXMLスキーマファイルを指定します。 |
-xkey:processName ※processName:処理名称 ※複数キー利用時は複数指定 | XML妥当性検証情報ファイル上のキー名称 | XML抽出処理/XML格納処理でXML妥当性検証を行う場合のXML妥当性検証情報ファイル上のキーを指定します。 |
-xconfig | ファイルパス | XML抽出処理/XML格納処理でXML妥当性検証を行う場合のXML妥当性検証情報ファイルを指定します。 |
-ck | ファイルパス | 暗号化鍵情報ファイルを指定します。 |
| 未指定 | 送信用受信確認ファイルを指定します。 |
| 未指定 | エラー情報メッセージファイルを指定します。 |
-enableSlideShiftCode | 未指定 | シフトコードを変換する場合に指定します。本パラメーターは、パラメーター値を指定する必要はありません。 |
-variableFile:name ※name:グローバル変数名称 | ファイルパス | マップ型変数ファイルを指定します。 |
22.4.4.5 設定例
RACCOONの編成前の変換定義と照らし合わせて、RACCOONアプリの設定例について説明します。

項目 | 設定 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
編成ファイル | 上述の変換定義を編成したファイル「ACMSCloud_RACCOON.ftconv」を指定 | ||||||||||||
RACCOON入力パラメーター | RACCOONパラメーターとパラメーター値の設定例
※ RACCOONパラメーターの指定条件例は割愛 |
22.4.4.6 RACCOON障害時の確認方法
RACCOON実行時に変換エラーが発生した際にはタスクが障害になり、CloudログにRACCOON変換ログのエラーIDとエラーメッセージを出力します。RACCOONのエラーロケーションや、ワーニングの詳細は、障害タスクの出力データに記録されている変換レポート、および変換ログからご確認ください。
ただし、以下の場合においては変換レポートおよび変換ログが出力されません。要因への対処を実施してから、RACCOONを再実行してください。
要因 | 説明 |
---|---|
RACCOONシステムプロパティの読み込み失敗 | 当該RACCOONシステムプロパティの設定値が不正であることが考えられます。 |
22.5 フロー設定
ここでは、フロー設定について解説します。
22.5.1 フローの設定
作成したRACCOONアプリケーションを指定してフローを作成します。
フロー作成時、RACCOONアプリケーションは1つだけ配置できます。
フローの変換パターンは11 フロー概要の「11.1.1.1 フローとは」を参照してください。
フローを作成する方法は20 フローを設定するの「20.1.2 フローの基本設定」を参照してください。
22.6 通信定義への設定
ここでは、データ変換実行の通信論議ファイルへの設定手順について解説します。
22.6.1 論理ファイルの設定
通信プロトコル(全銀手順、JX手順、AS2手順、ebXML MS 2.0手順、SFTP手順)でデータを受信した後にデータ変換を実行するには、受信用の論理ファイルへ本章で作成したフローを設定します。
操作手順としては、論理ファイルの「正常時終了処理」を「フロー」に変更します。 次に「フロー名」へ作成したフローを設定します。 この設定を行うことで、対象の通信論理ファイルでデータを受信した後、受信データに対して自動的にデータ変換が実行されます。
論理ファイルの設定は各プロトコルのオンラインマニュアルに記載していますのでご確認ください。
15 新規取引先を追加する(全銀手順)を参照してください
16 新規取引先を追加する(JX手順) を参照してください
17 新規取引先を追加する(AS2手順) を参照してください
18 新規取引先を追加する(ebXML MS 2.0)を参照してください
19 新規取引先を追加する(SFTP手順)を参照してください