設定の手引き

3 ACMS Cloudの概要と基本操作

3.1 ACMS Cloudの概要

3.1.1 ACMS Cloudの概要

ACMS Cloudの概要はデータ連携の流れ『1 ACMS Cloud の主な概念』を参照してください。

3.2 運用管理画面の基本的な使い方

3.2.1 運用管理画面の基本的な使い方

運用管理画面にログインすると、以下の画面が表示されます。

ウィンドウ左側がメニューとなっており、いずれかの項目をクリックするとウィンドウ右側にその項目の内容が表示されます。

ウィンドウ右側上部には現在のページのパスを示すパスバーが表示されます。またパスバー右側には画面の表示を行った日時が表示されます。

各々のメニューおよびサブメニューの左側にある[▼]をクリックすると当該メニューの項目が非表示となり、[▶]をクリックすると項目を表示できます。

メニュー右側にある[<<]ボタンをクリックすると、メニューを閉じることができます。メニューを閉じた後、[>>]をクリックすると再度メニューが表示されます。

3.2.1.1 [状況]メニューの概要

ACMS Cloudの動作状況や障害内容などを確認するためのメニューが[状況]です。このメニューには、以下の項目が用意されています。

項目

概要

モニター

ACMS Cloudで発生した問題(障害やタスクが処理されていない)のアウトラインを確認するための画面です。

トップフロー

ACMS Cloudへ入力したデータがどこまで処理されたかの進捗状況確認と操作が行えます。

タスク

ACMS Cloudで実行した通信処理やアプリケーション処理などのタスク状態の確認と操作が行えます。

予定

運用日毎の予定の確認と操作が行えます。

ログ

タスクの実行記録や定義のメンテナンス記録などの運用記録の確認が行えます。

通信ログ

ACMS Cloudで行われた通信の通信時間やデータ量などの確認が行えます。

 

3.2.1.2 [マスター]メニューの概要

 [マスター]はACMS Cloudに関する各種定義を行うためのメニューです。サブメニューとして[通信]、[アプリケーション]、[自動運用]、[システム]があります。

 サブメニューの内容は以下のとおりです。

項目

概要

通信

通信ユーザー、論理ファイルなどの通信処理で利用するリソースの設定と操作が行えます。

アプリケーション

フロー、アプリケーションなどの業務アプリケーション処理で利用するリソースの設定と操作が行えます。

自動運用

スケジュールと休業日カレンダーといった自動運用に関連するリソースの設定と確認が行えます。

システム

ファイル配布、メールフォーマット、ログメール通知などの設定と確認、業務グループの操作が行えるほか、サブメニューとして電子証明書の設定などが行える[PKI]があります。

3.3 運用管理の基本

ACMS Cloudの運用管理の基本について解説します。

3.3.1 ACMS Cloudの主要な処理フロー

EDI連携(対外接続)、基幹システムへ接続

ダイアグラム

自動的に生成された説明

ACMS Cloud内で実行する処理の実行証跡は、「トップフロータスク」、「タスク」で管理されます。

■トップフロータスク
 ACMS Cloudに入力されたデータがどのように処理されたか、どこまで処理されたかをアウトラインで管理する情報です。
 上例では橙色で表現されるACMS Cloud最上位層の処理の流れを管理します。

■タスク
 ACMS Cloudの各処理の実行を管理する情報です。
 上例では緑色で網掛けされた処理単位の実行証跡を管理します。

3.3.2 ACMS Cloudの運用の流れ

ACMS Cloudを運用する際の主要なオペレーション

1.定義メンテナンス
ACMS Cloudを稼働させるための定義登録や、運用変更に伴う定義メンテナンスを行います。
各定義の説明や設定方法については、各章をご覧ください。

2.リソース操作
リソース状態を操作することで、登録されているリソースの利用可否を制御することができます。

3.状況照会
ACMS Cloudの動作状況や障害内容などを確認することができます。

4.操作
ACMS Cloudにデータを投入する場合や、何らかの問題が発生した場合などに、ロードやタスク操作により運用対処を行うことができます。

3.4 リソースを操作する

リソースの操作について解説します。

3.4.1 リソースの開始と停止

ACMS Cloudではリソース毎に状態を管理しています。

リソースには二種類の状態があります。

状態

概要

有効/開始/稼働中

リソースが利用可能な状態であることを表します。

停止

リソースが利用不可な状態であることを表します。

停止状態のリソースが使われることはありません。

リソースには以下の操作を行えます。

画面:

操作

概要

開始

リソースを有効状態に変更します。

停止

リソースを停止状態に変更します。


処理中のリソースに対して停止操作を行った場合は、仕掛かっていた処理の終了を待ってリソースを停止します。

状態操作が可能なリソース:

リソース

開始

停止

業務グループ

通信ユーザー

論理ファイル

フロー

アプリケーション

スケジュール

ログメール通知

3.4.1.1 リソースを停止した際の影響

リソースを停止した際の影響は以下の通りです。

リソース

影響

業務グループ

当該業務グループ下の処理(通信/アプリケーション/スケジュールなど)が全て行われなくなります

通信ユーザー

当該通信ユーザーに所属する全ての論理ファイルの通信が行われなくなります。


着信ファイルの場合は着信が拒否されます。

フロー

当該フローの処理が行われなくなります。

アプリケーション

当該アプリケーションの処理が行われなくなります。

複数のフローから利用されているアプリケーションの場合、全フローの該当アプリケーション処理が行われなくなります。

スケジュール

停止していても予定情報は作成されます。

カレンダーの場合、作成された予定が実行されなくなります。

ウィンドウ制御の場合、停止により実行可能時間帯がなくなるため、制御対象のリソースが利用できなくなります。

3.4.2 ロード

ロードを行い処理の起点となるタスクを生成することができます。ロードは以下のリソースで行えます。

  • 論理ファイル
  • フロー

ロードは以下の方法で行えます。

  • リソースの一覧または詳細画面からロードダイアログで行う
  • ロード画面で行う

本項ではロードダイアログとロード画面での方法について記載いたします。

3.4.2.1 ロードの操作

ロードの操作について記載します。

■リソース一覧(例:論理ファイル一覧)

リソース一覧のアクション-ロードを選択します。

白い壁のスクリーンショット

自動的に生成された説明

■リソース詳細(例:フロー詳細)

詳細画面のアクション-ロードを選択します。

背景パターン

中程度の精度で自動的に生成された説明

ロードを実行すると画面上部にメッセージが表示されます。

3.4.2.2 ロード項目

ロードダイアログ、ロード画面に表示される項目は以下のとおりです。

■通信

項目

必須

概要

業務グループ

オプション

業務グループを指定します。

通信タスクのトリガータスクを、論理ファイルが所属する業務グループとは別業務グループとするために利用します。

未指定時は論理ファイルが所属する業務グループとなります。

通信ユーザー名

必須

通信ユーザー名を指定します。

論理ファイル名

必須

論理ファイル名を指定します。

データファイル

オプション

送信処理に使用するデータファイルを指定します。

伝送ファイル名

オプション

伝送ファイル名を指定します。

パラメーター

オプション

パラメーターを指定します。
通信手順の処理で利用する情報を渡します。指定できるパラメーターについては

『14 新規取引先を追加するには』

から各プロトコルを参照してください。
key=value,key=value,key=value

※パラメーターのエスケープ方法については、後段の「パラメーターのエスケープについて」を参照してください。

予約登録

オプション

予約状態で登録を行います。

処理予定日時

オプション

処理予定日時を指定します。

予約状態で登録する場合は指定できません。

未指定時はタスクの登録日時になります。

強制登録

オプション

タスク生成後に修正可能な検証エラーを無視します。

また、データファイル未指定時は0バイトファイルを生成します。

■フロー

項目

必須

概要

業務グループ

オプション

業務グループを指定します。

フロータスクのトリガータスクを、フローが所属する業務グループとは別業務グループとするために利用します。

未指定時はフローが所属する業務グループとなります。

フロー名

必須

フロー名を指定します。

データファイル

オプション

フロー処理に使用するデータファイルを指定します。

パラメーター

オプション

パラメーターを指定します。

フロー処理で利用する情報を渡します。


key=value,key=value,key=value

※パラメーターのエスケープ方法については、後段の「パラメーターのエスケープについて」を参照してください。

予約登録

オプション

予約状態で登録を行います。

処理予定日時

オプション

処理予定日時を指定します。

予約状態で登録する場合は指定できません。

未指定時はタスクの登録日時になります。

強制登録

オプション

タスク生成後に修正可能な検証エラーを無視します。

■パラメーターのエスケープについて

パラメーターは「key=value,…」の形式で指定するため、値に「=」や「,」を含むケースでは、利用者が望むとおりの適切な解析ができなくなってしまいます。

その場合は次に示すエスケープ処理を用いることで、適切な登録が実施できます。

  • 指定する値に「,」(カンマ)、「=」(イコール)を含む場合は、「”」(ダブルクォート)で囲むことでエスケープされる
  • 指定する値に「”」(ダブルクォート)を含む場合は、「\」(バックスラッシュ)を付与してエスケープする(「\”」)

3.4.2.3 設定値を残す

ロード画面にのみ「設定値を残す」チェックが存在します。本チェックボックスをチェックしロードを行うとロード後にデータファイル以外の設定値がクリアされません。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション, メール

自動的に生成された説明


↓ロードを行う

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション, メール

自動的に生成された説明

設定値にロードファイル以外の差異がない場合、下記の確認のダイアログが表示されます。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション, メール

自動的に生成された説明

問題ない場合はOKを押してください。ロードが実行されます。
本ダイアログは何らかの入力が行われた場合は表示されません。
上記例の場合パラメーターの「name=test」を消し再度「name=test」を入力した場合も表示されません。

3.5 共有リソースを利用する際の注意点

ACMS Cloudでは、複数のお客様が共通のクラウド基盤を共有して利用する「共同利用モデル」を採用しています。 ACMS Cloudでリソースを利用する場合には、以下の点に留意してご利用ください。
共有リソースのイメージ図はデータ連携の流れ『1 ACMS Cloud の主な概念 』1.6 共同利用モデルを参照してください。

項目

概要

連結送信数

同タイミングで発信処理(通信、アプリ)や着信が行われると
 発信タスクの処理が遅延(滞留)する
 着信処理を拒否する
運用画面のレスポンスが遅延し、
タイムアウトが発生する など

並列実行数

同タイミングで発信処理(通信、アプリ)や着信が行われると
 発信タスクの処理が遅延(滞留)する
 着信処理を拒否する

通信ユーザー定義数

同タイミングで発信処理(通信、アプリ)や着信が行われると
 発信タスクの処理が遅延(滞留)する
 着信処理を拒否する
※1

発着信の時間

同タイミングで発信処理(通信、アプリ)や着信が行われると
 発信タスクの処理が遅延(滞留)する
 着信処理を拒否する
※1

スケジュール定義

想定したサービス時間帯に通信、アプリケーションが実行できず、遅延する
※2

※1…稼働する通信数の時間帯を考慮して、同時並列稼働の負荷が分散できるように運用してください。他の利用者も同じ時間帯に集中して稼働すると遅延が発生する場合があるため、別の時間帯へ変更していただく必要があります。
※2…定義数が大量にあった場合に、他の利用者も含めてスケジュールへ遅延が発生する可能性があります。削除をお願いする可能性があります。

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